厚東川の水位の変化と呼岩の穴


 厚東川は,秋吉台の中央部を流れ,瀬戸内海に注ぐ.秋吉台そのものを大きく西台,東台に分けるのもこの川である.

 東台と西台に挟まれた部分の厚東川はかつて洞窟であったとも考えられており,河床地面下へ打たれたボーリングデータからは,地表下35m付近の地下に洞窟状のV字型の基盤地形が認められるとされている(藤井,1980).この川の両岸にはいくつかの洞窟も認められており,基盤地形との関連が示唆される.

 2000年の11月,普段は落とされる事の無い堰が落とされ,約1.5mほど水位が下がった.地元に住んでいれば良く見られることなのかも知れないが,たまたま水位の下がった時期に観察することが出来たので紹介する.


 激減した厚東川の水位.この写真で人が立っている位置は普段は水面下である.また,写真左の水面ぎりぎりの位置に鯉の穴(藤井,1995)が開口する.

 水位の減ったために顔を出した呼岩の穴入口.藤井(1995)によれば,防長風土注進案に記載されている呼岩,鸚鵡(オウム)石がこの上の岩壁をさし,この裾に広がる1丈あまりの穴が呼岩の穴であるとしている.写真のとおり,限りなく岩のくぼみに近いもののようである.


文献

藤井厚志,1980,秋吉台の地下水と石灰洞.河野通弘編:秋吉台の鍾乳洞−石灰洞の科学−.66−80.

藤井 厚志,1995,防長風土注進案にみる秋吉台の洞窟と地下水(1).山口ケイビングクラブ会報,30,7−8.

 


戻る